06
1
2
3
4
5
9
10
12
13
14
17
18
20
21
22
23
24
25
26
27
28
30
< >

This Archive : 2008年06月

--.--.-- *--*

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2008.06.29 *Sun*

『恋人の弟 ~Protective Lover~』(「スレイヴァーズ」二次創作) by れん

「遅いですね」
「道が混んでいるんじゃないかしら?」

「電話のひとつでもあってもいいと思うのですが」
「久しぶりだから、夢中になって遊んでいるのかもしれないわね。
 昔から、仲の良い兄弟だったのですもの♪」

ピシッ・・・冴木の心にいらだちの亀裂が入る音が響く。

にっこり微笑んで上品に紅茶の器に唇を当てる柊一の母には、
もちろん聞こえない。


今日の冴木は、ついてなかった。
本当なら、柊一とふたりで、彼の実家でゆっくりする予定だったのが、
冴木だけ急な呼び出しとなり、
ひとりでも行けるから・・・・と遠慮する柊一を説き伏せて、
とりあえず実家まで送り届けたのだった。


「兄さん、久しぶり!あれ?冴木はこのあと仕事なの?」

くったくのない笑顔を向ける桔梗は、大学生。
身長は冴木よりわずかに低いが、男らしい体躯にきれいな筋肉を付けていた。
「はい、申し訳ありませんが、柊一さまをお願いします。
夕方には、お迎えにまいりますので」
素直に詫びを入れる冴木に、桔梗は意地の悪い笑顔で応じた。
「別に、冴木が謝る必要はないよ。
それじゃ、今日は僕が兄さんを独り占め出来るんだ!
ねっ、兄さん、一緒に出かけようよ」
「・・・えっ?・・・ああ、・・そうだな。一緒に映画でも見に行こうか?」
柊一は、ひとり仕事に向かう冴木を済まなそうに見ると、ひかえめに提案した。

ひとり車に乗り込んで、見送ってくれている柊一をミラーで確認すると、
その細い肩を抱き込むようにした桔梗の唇が、何かを囁きながら柊一の頬に近づくのが見えた。
「・・・・・」
昔、柊一が桔梗にキスされている場面を見てしまったことがある。
持っていた物をすべて落としてしまうほどの衝撃。
後に確認すると、桔梗がふざけてした・・・と柊一は気楽に答えていたが、
冴木には、もっと深い思いがあるように思えてならなかった。
しかも、冴木に対する対抗意識のようなものも、確実に感じる。

実の弟に対して、嫉妬するのもおかしいとは思う。
思うが、嫉妬してしまうほど柊一の存在は特別だから。
「何があるとは思えないが、なるべく早く仕事を済ませて、お迎えにあがらなければ・・・」



夕方になり、用件を無事に済ませて迎えに来てみると、
肝心の柊一は、まだ帰っていないと聞いて、疲労感が押し寄せる。

「それにしても、一体どちらまで行かれたのでしょう」
「あら、わたくしったら、言わなかったから?
あのふたり、遊園地に出かけたのよ」
「えっ?・・・ゆう・・・えんち・・・ですか」

思いも寄らない場所だった。
日本で一番有名な巨大テーマパークに、桔梗の運転で出かけていたなんて。

桔梗さま・・・私への当てつけですね。

そうとしか思えない。
だいたい、ハタチ過ぎのいい年をした兄弟で、どうしてテーマパークなのだ。
柊一を助手席に乗せて、ドライブだなんて、兄弟の休日の過ごし方ではないだろう。
それは、まるで・・・。
恋人同士のデート。
しかも、遊園地。
冴木はまだ、経験していないし、思いつきもしない趣向だった。

冷めた紅茶をがぶ飲みする冴木の胸には、身を焦がすような重いが募っていった。



「ただいま!」
「遅くなってごめん・・・って、冴木、ずっと待っていてくれたのか?」

にぎやかで華やかなテンションをまとったふたりが帰宅したのは、暗くなってからだった。

大きなぬいぐるみを母親に贈り、使用人達にもいろいろな種類のお菓子を渡したり、
家中が楽しい雰囲気に包まれていた。

「兄さんって、意外と絶叫系も大丈夫なんだね。もっと怖がってくれると思っていたのに。」
「あ・・・そうかな。実は、ずごく怖かったんだけど、隣が桔梗だから我慢していたんだ」
「なんだ~、気にせずに抱きついてくれたらよかったのに~~~残念だな」

ちょっと口を尖らせた桔梗は、その視線をすばやく冴木に投げかける。
「冴木はどうなの?」
「・・・何がでしょうか?」
「絶叫系とか、大丈夫?」
「あまり経験がないので、何とも言えませんが」
自分に対するある種の対抗意識を感じて、再び胸が沸々と音を立てる。

「それなら、今度一緒に行こうか、冴木?
お前さえイヤじゃなかったら、今度はお前と行きたいな」
小首をかしげて誘う柊一の言葉に、一瞬のうちに心が凪いでくる。
そうだ。
やっぱり柊一さまは、恋人である自分と過ごしたいんだ。

さらに、柊一から、小さな箱が手渡された。
「ペーパーウエイトなんだ。お前は、こういう可愛い小物は、
あまり好みじゃないかもしれないけど、せっかくだから。」
「ありがとうございます。大切に使いますね」
心からうれしくて、受け取った。

夕飯を是非にと誘われたが、言葉を尽くして辞退して、柊一を車に導く。
自身も乗り込もうとしたそのとき、桔梗に呼び止められた。

「冴木・・・・・これ。どうしようかと思ったけど、やっぱりお前にあげるよ」
そう言って薄い紙袋を押しつけられた。

キラキラした光のパレードが美しかったとか、
着ぐるみのキャラクターの誰に会っただの、
誰とハグしただの、
柊一からの報告は、弟との遊園地の一日の楽しいエピソードばかりだった。
桔梗がどう思っていても、しょせんふたりは兄弟。
そして、自分たちは恋人同士なのだから、バカみたいな嫉妬は不要だ。
どんな表情も、どんな姿態も、自分にすべてを見せてくれるのだから。

柊一の笑顔を見ていると、つまらない嫉妬にさいなまれた自分が、
バカみたいに思えた。

夕食の後に、桔梗に手渡された袋の中身を確かめて、再び冴木はかたまった。
写真が二枚。
一枚は、おそらくカメラを向けている桔梗に向かって、満面の笑みを浮かべて
手を振る柊一のアップ。

・・・柊一さま・・・こんな表情を無防備にさらしてくるとは・・・。
しかも、わざわざ当日仕上げで、私に手渡すとは・・・桔梗さま。


さらに、二枚目は、キャラクターに囲まれている柊一と桔梗。
スタッフにでも撮影を頼んだのだろう。
桔梗は、柊一を背後からしっかり抱きしめており、
白い首筋に顔を埋めんばかりの構図だった。

・・・桔梗さま・・・こんなふうに柊一さまを抱きしめるとは・・・。

しかも。
柊一の髪には、このテーマパークのキャラクターの耳が付けてあるではないか。

・・・・・・・・つけ耳。

見たこともない凶悪なほどの可愛らしさに、とうとう冴木の理性が振り切れる。


「柊一さま!」
「・・・なに・・・冴木?」
パジャマ姿の柊一の手首を握ると、向かい合わせに自分の膝に座らせる。
「どうしたんだ、急に?」
「来週は、私と行ってくださいね、遊園地。」
「・・・ら・・・来週?」
「そして、耳、つけてください」
「耳?」
「そうです、耳です。あ、付けて歩くのはダメです。
私の前でだけ、付けてください。いいですね、約束ですよ」
「・・・う・・・うん」
言っていることが強引で無茶苦茶に思えるが、そんなことを教えてやれる雰囲気ではなかった。

「それじゃ、昼間は桔梗様とたっぷり楽しまれたようですから、
夜は、私とたっぷり楽しみましょう」
そう言うと、そのままベッドにもつれるように倒れ込んだ。
「さ・・・さえ・・・う・・んん・・・」
舌を絡め合い、しめったキスに、溺れる。
「柊一さま・・・今日は、余裕がありません。
すいません・・・でも・・・もう・・・あなたを誰にも触らせたくない」
何度も角度を変えて深く口づけて、顔中に軽いキスを浴びせる。
「・・・バカだな・・・こんなこと、お前にしか許さないのに。
でも、そうだったな・・・お前は一日仕事だったものな・・・。
いいよ、来いよ・・・鷹成」
両手を広げて、冴木を抱き込むと、思い切り深い口づけを与える。

柊一の中に、早くはいりたい。
内側から柊一を感じたい。
熱く締め付けられて、互いしか見えないまま、揺さぶりたい。
何度でも突き上げて、自分を感じさせたい。
あふれてもあふれても、自分を注ぎ込みたい。
自分だけで、いっぱいにしたい。


夜がすっかり深くなった頃。
冷たい水を口移しで柊一に飲ませる。

しなやかに身体を開いて自分を受け入れる柊一には、まったくかなわない。
我を忘れて、狂ったように、その細い身体を求めてしまった。



「あ・・・そう言えば冴木。
あのテーマパークに入った時、お前の声を聴いたんだ」
「私の・・・声ですか?」
「ああ、あれは、気のせいとは思えない・・・お前の声だ。
だから、来週は一緒に出かけような・・・」

ささやくようにそれだけ言うと、柊一は冴木の胸に頬を寄せて、再び眠り始めた。

「私の声など、聞こえるはずがないのに・・・」
瞳を和らげて、柊一の髪に静かに口づけを落とす。

でも、来週は私と一緒に出かけでくださいね、柊一さま。

アヒル。the End


にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
人気ブログランキングへ





スポンサーサイト

2008.06.19 *Thu*

『イングリッシュ・ラプソディー』 第八回 by 彩香

前回までのお話はコチラからどうぞてろてろはぁと05第一回第二回第三回第四回第五回第六回第七回


「だったら、イギリスにいる間俺の言うことをきけ。
文句はいっさい受け付けない。
いいか、今から帰国するまで、俺がお前の主人だ」

「はぁっ?」
俺は馬鹿のようにぽかんと口を開ける。

「しゅ、主人って、何だそれ?
何わけわかんねぇこと言ってんだよ」

「ごちゃごちゃうるさいぞ。
職場にバラされたくなかったら、俺の命令に黙って従え」

こ、こいつ・・・・・・。
女みたいに綺麗な顔してるくせにとんでもねぇ奴だ。
普段の大人しそうな態度は人目を欺くためのカモフラージュか?
だとしたら、俺を含めてみんなこいつに見事に騙されてる。

「わかったら、そこにちゃんと座って『はい』と言え」
高飛車に高遠が言う。

俺は犬かよムカッ
頭に来るが、逆らうと後が怖いので言われたとおりにする。
情けない・・・・・・。

「よし。
まず、そこに横になれ」

は?

きょとんとして自分が座っているベッドを見つめる俺に、高遠は焦れたように舌打ちする。
俺は慌ててベッドカバーの上に横になった。
眼鏡の奥の高遠の目が、嬉しそうにきらりと光る。

ベッドサイドに立つ彼を、不安げに俺は見上げた。

☆第九回につづく☆
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
人気ブログランキングへ






2008.06.19 *Thu*

『イングリッシュ・ラプソディー』 第七回 by彩香

前回まではコチラです→第一回第二回第三回第四回第五回第六回

「乾杯」
高遠は自分のグラスにもブランデーを注ぎ入れ、グラスを掲げると、俺のグラスの縁に軽く触れる。
グラスをゆっくりと回しながら手のひらで温め、口元に運ぶ。
ブランデーを嚥下すると、高遠の喉元がごくりと動く。
男にしてはほっそしりた白い首筋がやけに艶かしくて、俺は思わず視線を逸らせた。

俺も高遠に習いグラスに口をつけ、ぐっと一息に煽る。
熱い液体が喉から胃の奥へと落ちていく。
たちまちふわりと全身が心地よい酩酊感に包まれる。

「美味い・・・・・・」
思わず賛美が俺の口をついて出る。

「当然だ。VSOPだからな。旅の友に成田でゲットした」
「very superior old・・・」
俺は記憶をたどろうとして、口ごもる。
「paleだ。少なくとも5年以上熟成させた澄んだ上質のブランデー。ありがたく飲め」
 
俺は高遠の端正な顔をまじまじと見つめながら、あっけにとられていた。

高遠って、こんな俺様キャラだったのか?

職場では口数が少なく、どちらかと言うと内向的な男だと思っていた。
少なくともあまり親しくない同僚に、こんな口のきき方をするとは思ってもみなかった。
それが有無を言わせぬ迫力がある。

意外だ。
いや、俺たちもう他人じゃないし・・・・・・。

自分でツッコンでおきながら、俺はその事実に冷や汗をかく。

「なあ、高遠。冗談は抜きにして、ざっくばらんに話そうじゃないか。
俺はお前に脅されてここに来た」
何か言いたげに高遠の目がきらりと光る。

「『ゆうべのことは職場に黙っていてやるから、一週間の休暇を取ってロンドンに同行しろ』
お前はそう言った。立派な脅しだ。
男を襲ったなんて会社にばれたら、恥ずかしくて二度と職場に行かれない」
「女性社員を食べまくりのプレイボーイのお前が、酒に酔ったとは言え、男を食ったと知られたら、大騒ぎだろうな」
面白そうに高遠がくすりと笑う。

この悪魔め――。

「ああ、そうだ。
そんなことが職場にバレたら、俺は生きていけない。
だから、教えてくれ。俺は何をすればいいんだ?」
俺はまっすぐ高遠の目を見据えて言った。

「いい覚悟だ」
高遠も視線を逸らさず、フッと唇だけで不敵に微笑む。

や、やな予感・・・・・・。

第八回につづく☆ああ、どんどんコメディーになっていく・・・てろてろ汗

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
人気ブログランキングへ




2008.06.16 *Mon*

『イングリッシュ・ラプソディー』 第六回 by 彩香

前回まではコチラです→第一回第二回第三回第四回第五回


「何だ? 聞いてやるからさっさと言え」
 
 高遠の意下高な口調に一瞬むっとしたが、ここで奴に喧嘩を売っている場合じゃない。
「実は俺……何も覚えてないんだ」
「は?」
「何も……強引にキスしたこと意外何にも覚えちゃいない」
 高遠と目を合わせるのが怖くてフローリングの床に視線を落とす。
うつくむく俺の頭のてっぺんに高遠の視線が突き刺さる。

「本当に何も覚えてないのか?」
「想像はつくが、あくまでも想像の域だ。だから償えと言われても、どうしていいかわからない。悪いけど」
「思い出したくないだけだろう」
 ぴしゃりと高遠が切り捨てる。むっとしているのが口調でわかる。

「だったらなんでイギリスまで着いてきた? 俺に責任を感じたからじゃないのか?」
「あのときはそう思った。気が動転してたんだ。目が覚めたら裸で他人同然のお前と抱き合っていた。だが時間が経つにつれ、やっぱり信じられなくなってきた。俺が……お前にそんなことしたなんて」
「さんざん好き放題したくせにそう来るか。最低だな」

好き放題・・・・・・したのか、俺てろてろ汗
酒に酔っていたとはいえ、確かに最低だな。

よりによって同僚の男に手を出すとは・・・・・・。
どんだけ欲求不満だったんだよ、俺。
挿れられれば木の幹の穴でもいい、みたいな発情期のケダモノじゃあるまいし。
最悪だ!
俺は頭をかきむしった。

「何、一人で百面相してるんだ、杉原。見た目はイケてるくせに、おかしな奴だな。お前に惚れている女性社員たちに見せてやりたいよ」
 高遠がくすりと笑う。花びらが綻ぶような妖艶な笑顔に思わず見惚れる。

「まあいい。ムカつくが、覚えてないと言うものは仕方ない。
罰として一杯つきあえ」
「今から?」
「そうだ」

 高遠はさっさとサイドテーブルの上にあったグラスを手に立ち上がると、ミニバーの扉を開けて中を覗く。
「ワインしかないな」
がっかりしたように言うと、高遠はクローゼットにしまっていたスーツケースを引っ張り出し、中から黒っぽいボトルを取り出す。
「ブランデーでもいいか?」
そんなものを飲んだら、シャワーも浴びずに爆眠してしまう・・・・・・。
そう抗議する間もなく、高遠はさっさとグラスにブランデーの琥珀色の液体を半分ほど注ぎ入れる。

「ほら」
グラスを差し出され、俺は手に取った。

第七回に続くのだ☆ああ、早く濡れ場Wハートが書きたい・・・笑

2008.06.15 *Sun*

『COOL BIZ~Protective Lover~』

「それじゃ柊一さん、帰りは迎えに行きますから」
「いいよ、別に。連絡をくれたら、僕が上がってくるから」
「いいじゃないですか、たまには。あなたのデスクの周りも見てみたいんです」
「・・・そうか・・・じゃ、・・・待ってる」

見つめ合う本人達は、どう思っているかわからないが、同席している若宮としては、
いちゃついているとしか思えないやりとりに、
平和でいいもんだな・・・とか、
そう言えば、俺もこういういちゃいちゃをしたいものだ・・・とか、
ついため息をこぼしそうになった。

退室しようと、社長室の扉に向かって歩き出した柊一の肘の当たりを、
冴木はそっと支えるように寄り添うと、
さらに、その手を背中に回してエスコートする。
奇跡的な回復を見せたとはいえ、
冴木にとっては、常に守るべき大切な人であることに変わりはなかった。

「そういえば、なぁ、冴木。この部屋、少し暑くないか、大丈夫か?」
「・・・そう・・・ですか?私は、別に感じませんが」
「そうかな。僕がいるフロアのほうが、かなり涼しいと思うのだが・・・」
その言葉に、一瞬冴木がわずかに目を細める。
「若宮先生は、いかがですか?」
冴木の視線の変化などまったく気づいていない柊一は、何気なく話を向ける。

正直言って、若宮はすでに今夜の早瀬とのデートのことを考えていたので、
部屋の温度など、どうでもいい話題であった。
ところが、話題を振られた時の、冴木の瞳の動きに、
ここは慎重に返答すべきなのかな・・・と、頭の中で警報が響いた。

「あ~、ちょっと暑い・・・かな・・・ここ?」
一応、柊一に同調して様子をみる。
冴木の鋭い視線に痛さが増した。
どうやら、間違った方向に進んでしまったようだ。
いかん、いかん、軌道修正・・・。
「でも、柊一くん、同じ設定温度でも、フロアの物の配置とか人数によっては、
体感温度は微妙に違うと聞いたことがある。
たぶん、そのためじゃないかな?」
冴木の視線は柊一にもどり、剣呑さは瞬時に消え失せた。

どうやら、正しい方向で返答出来たみたいだな。
早瀬、俺はちゃんとできたぞ!

つい先日の、携帯電話の一件で、
恋人から一刀両断・問答無用に苦い評価を受けた若宮は、
二度と同じ失態は繰り返すまいと、密かに決意していた。
空気が読めないだの、言わなくていいことをお約束のように言ってしまうだの
ベッドの外では、言いたい放題で可愛くないことこの上ないお姫様ではあるが、
何でも許せてしまうほど、メロメロであることも事実だった。

「そうなんですか。冴木、少し社長室も模様替えして、
エコ対策をしてもいいかもしれないな」
人の気も知らない、のんきな笑顔で柊一は自分の所属に戻っていった。



「さすがに、学習したみたいだな」
「余計なことは言うな・・・ということか?」
若宮の質問をあっさり聞き流して、デスクの書類を片づけ始める。
「・・・ということは・・・おい冴木、本当に設定温度下げてあるのか?」
冴木は手を休めることなく、ちらっと視線を挙げて口を開いた。
「・・・別に関係ないことだと思うが・・・知りたいのか?」

ここまで聴けば十分だと言うことも、冴木とのつきあいの長い若宮は察知していた。
つまり、柊一のいるフロアだけは、エアコンの設定温度が低いのだ。
そこまでするのかっ!
口の中に甘い砂糖がジャリジャリするような気分だった。
まったく、この過保護の恋人は、どうしようもないな・・・。
でも、ま、同じフロアの早瀬も涼しく仕事ができるのだから、
まあ、いいか。
ジャリジャリを丸ごと飲み込む。

「いや、別に俺には関係のないことだから」
「そうだな。不要な情報を仕入れるほど、暇ではないと思うしな」

ちくしょう、冴木のヤツ。
今夜は、このことを早瀬に言いつけてやる。


しかし、若宮はすべての事情を知ってはいなかった。
設定温度が低いのは、恋人の職場を快適にするため・・・これは二次的な理由。
真の理由は別にあったのだ。


事の始まりは、いまから約1ヶ月前にさかのぼる。
梅雨入りにはまだ早い5月中旬。
冴木は社内ネットワークを使って電子決済処理をしていた。
倉橋物産では、一般的な起案については、パソコンを使った決済システムに移行していた。

今朝アップされた決済ファイル内の文書をひとつひとつ改めていく。
「・・・ん?エコ対策としてのクールビズ対応について・・・か」
近年では、企業の社会貢献や環境への取り組みは当たり前となっている。
倉橋物産としても、積極的に勧めている最中でもあった。
社内のエアコンの設定温度について、
社内での服装の簡素化について、
残業をしない日を定めることについて、

確かに、どれも努力の範囲内で十分にできる内容に思われた。
真新しさはないが、地道な方法でもあり妥当に思う。

「あとは、これを実施することによる実質的な電力削減量の試算が見たいところだな」


ところが、冴木の気持ちを乱す出来事は帰宅後に起こった。

「おかえりなさ、柊一さま。・・・買い物だったのですか?」
「ああ、ちょっと時間があったので、寄ってみたんだ」
「言ってくだされば、ご一緒したのに」
「何を言ってるんだ、子どもじゃあるまいし。シャツくらい、僕ひとりで買えるよ」
「シャツ・・・ですか?」
「ああ。来月からクールビズなんだろ?
僕、半袖シャツって持っていないから、やっぱり必要かと思って、少し買ってきたんだ」

そう言って、どうかな?と自分の身体に当てて、ちょっと首をかしげる。
その悩殺的な愛らしさに、このまま押し倒してやろうかと近づいて、ふと気づく。

半袖などを着てしまっては、白くてきれいな腕の内側が丸見えになってしまうし、
ノーネクタイで、第1ボタンなどをはずされては、
なまめかしい首筋が露出してしまう。

手首の内側、二の腕の内側、太ももの内側・・・
口の内側・・・そして、いつも冴木自身を包み込んで熱く吸い付くように締め上げる
自分だけが知る柊一の秘密の内側。

内側と名の付く場所は、誰にも見せたくない「イイトコロ」なのだ。
クールビズとかエコとか、そう言うものにとやかく言われる筋合いの物ではないのだ。
とにかく、半袖の着用はとめなければ。
そして、今夜も早く、脱がして抱いて、舐めて挿れて泣かせたい。

「柊一さま、本社ビルは意外と涼しいものですよ。
もともと体温も低い方ですからね、あなたは。
だから、実際に6月になってから、判断された方がいいのではありませんか?」
本音はちらりとも見せずに、しごく常識的でかつ親切な論を提案する。

「あっ・・・確かに、お前の言うとおりだな。うん、そうするよ」
「じゃ、風呂にしませんか。今夜は寝る前に、少し酒でも飲みましょう」

余談ながら、
このあとは、もちろん、冴木の思い通りの展開となった。
いや、アルコールの効果なのか、
大胆でいつもより積極的な柊一の反応に、
すっかり、たががはずれて、明け方まで夢中になった。
結果として、半袖シャツではカバーしきれない場所まで、
鮮やかなキスマークがほどこされたのだった。
「やはり、半袖など、許すべきではないな」
自分は正しいという確信を深めた冴木だった。




若宮の予想の、常に右斜め上をいく過保護でヤキモチ焼きな男、冴木。
ちゃっかり柊一のフロアのみ、設定温度を2度も下げさせた真の理由は、
職場で半袖を着させたくないがため。
さらに、帰りに所属まで迎えに行く真の理由は、デスク周りを見たいのではなく、
最近遠慮がちにも、柊一を飲み会に誘い始めた
『チャレンジャーなフロアの雰囲気を牽制するため』であった。
・・・どうしても柊一さまを誘うのであれば、社長である自分も付いていく・・・、
くらいの態度で、穏やかに、そしてあからさまにアピールするのだった。


「まるで、まっ黒な大型犬。っていうか、ご主人バカの番犬だな」
早瀬は、こっそりつぶやくと、我関せずのままキーボードを叩き続けるのだった。

☆the END ☆

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
人気ブログランキングへ




2008.06.11 *Wed*

『イングリッシュ・ラプソディー』 第五回  by彩香

前回まではコチラです→第一回第二回第三回第四回

バスローブをまとった高遠が、さっぱりした顔で室内に入ってきた。
「お前もさっさとシャワーを浴びて来いよ。さっぱりするぞ」

 お前が出てくるのを待ってたんじゃないか。言い返したいのをぐっとこらえて、俺はのろのろとベッドで上半身を起こした。ベッド脇を高遠が素足でぺたぺた通り過ぎる。

 ふわりとシトラス・ムスクの香りが鼻腔をくすぐり、俺は高遠を見上げた。

頭からかぶったバスタオルからのぞく濡れた髪。
ほんのり桃色に上気した頬。
男にしては無駄に白い肌。
艶やかな赤い唇――。
 
あの唇に――。
 
とたんに記憶のスイッチが入り、体の芯がかっと熱くなる――。

 誘うように薄く開いたあの唇に、俺は飢えた獣のようにむしゃぶりついたのだ。固く閉じた歯列を舌でこじ開け、激しく舌を吸い上げた――。

「何赤くなってるんだ? 熱でもあるのか?」
 高遠が立ち止まり、俺の額に手を当てた。しっとりとした柔らかい手のひらの感触に思わず俺は身を引く。
「ね、 熱なんてない。お、お前こそ大丈夫なのか? その……」
「何が?」
 フレームレスの眼鏡の奥で、高遠の切れ長の目が光る。俺は思わずどきまぎした。
「何がって……。そ、その、ずいぶん無茶させたみたいだから……」
「ああ 、そのことか」
 高遠がくすりと笑う。
「気にするな。お前にはこれからたっぷり償ってもらう。そのために遠路はるばるイギリスまで連れてきたんだからな」
 
た、たっぷり償う?!
俺は真っ青になった。
「ま、待ってくれ、高遠。悪かった。俺が悪かったよ。謝る。
でも、お前に言っておきたいことがあるんだ」

第六回につづくのだ☆

2008.06.08 *Sun*

『イングリッシュ・ラプソディー』 第四回 by 彩香

前回まではコチラです→第一回第二回第三回

「お前、なんで裸なんだよっ!」
慌てて高遠の手足を引き剥がしながら、俺は絶句した。

うん…と色っぽい声で高遠がゆっくりと目を開ける。
男にしては無駄に長いまつ毛だ。

「何だよ、人が寝てるのにうるさいな。徹夜明けなんだろ。それに昨夜はえらい頑張りようだったもんな。俺がもう止めろって言ったのに、まだまだって。おかげでえらい目に遭ったぞ。腰がだるくて死にそうだ。もう少し寝てたらどうだ」
高遠は不機嫌そうにそう言うと、ごろりと背中を向けてまた眠ってしまう。

昨夜はえらい頑張りようだった?
腰がだるくて死にそうだ?
な、何?
俺、何も覚えてないぞ!

そう言えば・・・俺も何気に腰がだるいような気がする。
昨夜、こいつと腰がだるくなるほど残業したんだろうか?

うう、何も思い出せない・・・・・・。
しかも頭痛で頭が割れそうだし。
これは間違いなく二日酔いだ。しかもヘヴィー級。

ともかく全裸のままでは落ち着かないので、俺はパンツを求めてキョロキョロと周囲を見回した。

こぢんまりとした見知らぬ部屋。
ワンルームの独身者用のマンションの一室のようだ。
ベッドのほかに、テレビとライティングデスク。それにCDがびっしり詰まったラックが置いてある。
すっきり片付いた無駄がなさそうな室内から見て、高遠の部屋らしい。

フローリングの床に脱ぎ散らかした自分の服一式を発見し、慌ててパンツを身に着けた。

なんで俺がこいつの部屋で裸で眠っちまったんだ?
俺は納得がいかなかった。

企画部の高遠とはほとんどつきあいがない。
彼は俺と対照的で口数が多いほうではなかったし、何よりつんと澄ましたようなクールな美貌が周囲に近寄りがたい雰囲気を与えていた。
彼が笑っているところなど見たこともない。
仕事はできるようだが、はっきり言って特にお付き合いしたい相手でもなかった。

昨夜仕事を終えた俺に奴が声をかけてきたのは覚えている。
珍しいこともあるものだと驚いたのだ。
確か俺に相談があるとか言っていたっけ。

それから俺たちはどこかへ飲みに行ったのか?

そのときドアが開く音がして、俺ははっと現実に返った。

第五回につづく☆

2008.06.07 *Sat*

『イングリッシュ・ラプソディー』第三回 by 彩香

第一回第二回はコチラから☆

「何ぼけっと見てるんだ。俺の顔に何かついてるか?」
 高遠は、俺の目をじっと見つめながら、舌で唇を湿した。
まるで誘うようなしぐさに、俺の喉がごくりと鳴る。

あの赤い舌が俺の・・・・・・。

「いや…なんでもない。両替なら、後でいいだろう。二万円分ほどポンドで持っている」
「用意がいいな」
 高遠はふっと眼鏡の奥で目を細め、うっすらと口の端に笑みを浮かべた。

 嫣然とした微笑みにまた目を奪われそうになり、俺はあわてて高遠の顔から目を逸らした。
高遠はくるりと踵を返し、タクシー乗り場へとさっさと歩き出す。
その背中を俺は重いスーツケースを引きずりながら、必死に追った。

                        ☆     ☆

 ロンドン市内のユーストン駅にほど近い中堅クラスのホテルの一室で、ベッドに仰向けになりながら、俺は聞こえてくるシャワーの音にぼんやり耳を傾けていた。

全身が疲労で泥のように重い。
なにしろ昨夜、いや、一昨夜からか、とにかく俺はろくに眠っていなかった。

一昨日、徹夜明けの仕事を終え、高遠とオフィスを出てからの記憶があいまいだった。

はっきり言えば、一昨夜の記憶が頭からすっぽり抜け落ちていた。
激しい頭痛とともにぼんやりと目覚めた俺は、あろうことか全裸で眠る高遠と手足を絡めあっていることに気づき、一気に目が覚めたのだ。

第四回につづく☆

2008.06.06 *Fri*

『イングリッシュ・ラプソディー』 第二回 By 彩香

『イングリッシュ・ラプソディー』第一回はコチラ

 大型のスーツケースを両手で一つずつ引きずり、さらに肩にはずっしりと重い機内持ち込み用ショルダーバッグ。俺は理不尽な怒りに囚われつつ、必死で高遠のすらりとした後姿を追いかけた。周囲の人に荷物をぶつけては、じろりとにらまれる。そのたびに頭を下げながら、俺の全身はじわりと汗ばむ。

「おい、いい加減に……」
 返事をしなけりゃ、荷物を置いて今すぐ日本へ戻る飛行機に飛び乗ってやる。そう叫びかけた瞬間、ふいに高遠がくるりと振り向いた。

「なあ、杉原。両替してきてくれないか。あそこにカウンターがある。タクシーに乗るのにクレジット・カードが使えるとは限らないからな」
 俺はお前の使用人じゃない! 俺は思わずスーツケースを放り出し、高遠のキレイな顔をいっぱつぶん殴ってやろうと右手を振り上げた。

「お前、意外と短気だな。普段の人当たりのよさは営業用か」
 降りあげた俺の手首をすばやく捉え、高遠は何食わぬ顔で言った。手首をつかむ意外な力強さに俺は顔をしかめる。
「放せよ、痛い」
 無理に振りほどくと、手首が赤くなっていた。俺はじろりと高遠をにらむ。
「謝らないぞ。先に手を上げたのはお前だ」
 しゃあしゃあと抜かす男の顔に、俺は不覚にも見惚れていた。

フレームレスの眼鏡の奥の切れ長の瞳。
男にしては長いまつ毛。
すっきり通った鼻筋と繊細な顎のライン。

俺の目を釘付けにしたのは、優雅なカーブを描く柔らかそうな唇だった――。

昨夜、俺はあの唇に――。

甘い痺れとともに、じわりと官能的なうずきが体の奥から沸いた。

第三回につづく☆

2008.06.06 *Fri*

『携帯電話 ~Protective Lover~』 (スレイヴァーズシリーズ二次創作小説) By れん

「おや?柊一さん、携帯を新しくされましたか?」
「え?・・はい、先週の日曜日に。買い換えたほうがいいと、急に冴木が言い出して。
僕は、前の物でも、特別不便は感じていなかったのですが」
「ほお・・・失礼ですが、拝見してもよろしいですか?」
「ええ、どうぞ」
手のひらからシンプルなパールホワイトの携帯を受け取る。
「どうぞ、開いて頂いて、かまいませんよ」
「・・・それでは・・・ん?・・・これは(くすっ)」
「・・・?早瀬さん、どうかされましたか?」
「いえ、機能性重視で使いやすそうな良い携帯ですね。
もしかして、冴木社長のお薦めですか?」
「ええ、僕にはこれがいいだろう・・・って。正直言って、僕自身は携帯には、
あまり関心がありませんので、電話できればそれでいいかな・・・と」
「私も、柊一さんの意見に賛成です。
とりあえず電話できたら、十分です。
メールとか、案外面倒ですし。」
早瀬は、マメにメールをしてくる恋人のことを思い出し、神経質そうに眉をしかめた。

その翌日の朝。
内線を告げるランプを見ながら、早瀬は受話器を取り上げた。
「早瀬です」
『冴木だが、仕事中に済まない。』
「いえ、結構ですが、何か?」
そういいながらも、予想以上に早い冴木からの連絡に、苦笑いしそうになる。
『仕事の話ではないのだが、時間を取ってもらえるか。』
「はい。いつがよろしいですか?」
『今日の昼は、どうだろう。一緒に昼飯でも食べながら話がしたい』
「では、うかがいます」

「随分高そうな店ですね。こんなに気遣って頂かなくても、私は口が堅いですから、
携帯のことなら、大丈夫ですよ、社長」
連れて行かれたのは、上品な和定食を出す静かな店だった。
早瀬の楽しそうな物言いに、苦い物を味わうように冴木が口をゆがめた。
「柊一さんに、余計なことは言わなかっただろうな、早瀬」
「余計なことって・・・GPS機能付きのキッズ携帯だということですか?」
ほんのかすかな冴木のうめき声を、気づかないようにやり過ごす。
「もちろん、言いませんよ。
いくら、恋人のことが心配だからって、今時、中学生でも持ちたがらないような、
こども用の携帯を持たされているだなんて、柊一さんが知ったら、
ただでは済まないでしょうからね」
うっ・・・と一瞬息を詰めた後、冴木は目を細めて向かい側の席の男を一瞥する。

「あの方については、すべてにおいて私に権利がある。
どんな携帯を持って頂こうと、他人にあれこれ言われる筋合いはない」

おやおや、この冷静で緻密な経営者も、恋人の話になると、こんなにも大人げなくなるものか。
そう思うと、その人間らしいおろかさに、可愛げすら感じる。
「社長。」
「・・・なんだ」
「社長は何か誤解なさっておられます。」
「誤解だと?」
「はい。私は、柊一さんが知ったら、ただでは済まないでしょうとは、申し上げましたが、
あの携帯がふさわしくないなんて、言っておりません。
本人に気づかれずに、いつでも好きなときに好きなだけ現在位置が確認出来る、
あのキッズ携帯の機能は、素晴らしいです。
心配性で過保護・・・あ、失礼しました。
愛情深くて包容力のある社長に、心穏やかに仕事に専念して頂くためには、
柊一さんには是非、あの携帯を持ち続けて頂くことを、切に希望しておりますよ」
平然と飯を口にはこびつつ、しっかり漬け物まで味わいながら、
早瀬は淡々と持論を展開した。

結局その後は、これという話もなく、店を後にした。
子供用の携帯を持たされている事実を、柊一本人に気づかれることを避けたかっただけなのだから、
これ以上、早瀬を拘束する理由もないといったところだろう。
さすが、早瀬という男は察しがよくて立ち回りもうまい。
若宮が言いように振り回されるのも納得出来る、と妙なところで感心してしまった冴木であった。

ちょうど同じ頃の、本社にて。

「やぁ、柊一くん、携帯を新しくしたのかい?」
「え?・・はい、先週の日曜日に。僕は、別に前のでもよかったのですが、冴木が」
柊一は、妙な既視感にとらわれる。
そういえば、早瀬さんにも言われたっけ。

「おれも、そろそろ買い換えようと思っているんだ、ちょっと見せてもらってもいいかな?」
「ええ、どうぞ開いて頂いてかまいませんよ」
「・・・それでは・・・ん?・・・これは・・・あはははは。」
「?・・・どうかしましたか?」
「あ、いや、すまない。
しかし、冴木のヤツも、まったく心配性だな。
柊一くんに、GPS機能付きの子供用の携帯を持たせるなんて!
いや~、愛されてると言った方が、いいのかな、この場合は!」

楽しそうに笑いながら若宮が去っていったあと、しばし固まる柊一だった。


もちろん帰宅後に、やんわり詰め寄られたのち、『ただでは済まない』状況に陥った冴木は、
最も最良と自負している方法、つまり
『どれほど愛しているかを、イヤというほど身体に思い知らせる』ことで、
なんとか柊一を納得させた。

一方、早瀬はというと、率直で不器用な恋人の言動にあきれ果てた。
「あなたという人は、どうしようもありませんね。当分、私の視界には入らないでください」
さらりと言い渡して、パソコンのモニターに集中するのだった。

☆ The End ☆

インフォメーション

彩香とれんの萌え満載のBL二次創作小説ブログです♪
れんによる『えれなさんのBL小説スレイヴァー○』シリーズの二次創作SS☆
現在、彩香による『ShokoさんのBLコミック○○な朝』18禁二次創作SS更新中♪いずれの作品も原作・版元には一切関係のない個人の創作になります。了承の上お楽しみくださいませ。



プロフィール

lisa

Author:lisa

レンタルサーバー


Author:lisa
昼は社会人、夜はハードなBL星人です。
無理矢理が大好物なドS属性。
濃ゆくて切ないBL小説が書きたいの。
現在、Hidaka Shoko先生のBLコミック『憂○○朝』に萌え暴走&妄想&二次創作中です。
桂木が好き過ぎて困る。
誰か止めて…笑

lisaの萌えブログ「BL萌え的生活」へはリンクから飛べます^^


Author: れん
Elena先生のBL小説「ス○○○ーズシリーズ」の二次創作担当です。
甘い柊一さまと冴木をお楽しみくださいませ。
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
創作検索ぴあすねっとNAVI
yu_asa
憂鬱な朝2


title="駄文同盟.com 【全創作系個人サイト検索エンジン!】">
駄文同盟.com









FC2ブックマーク





カレンダー

05 | 2008/06 | 07
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -



FC2カウンター



全記事表示リンク

全ての記事を表示する



Book Mark !



フリーエリア



フリーエリア



フリーエリア



ブログ内検索









QRコード

QRコード



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



Copyright © BL創作小説さくらのはな All Rights Reserved.
テンプレート配布者: サリイ   素材: ふるるか  ・・・ 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。