04
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
< >
--.--.-- *--*

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2008.06.29 *Sun*

『恋人の弟 ~Protective Lover~』(「スレイヴァーズ」二次創作) by れん

「遅いですね」
「道が混んでいるんじゃないかしら?」

「電話のひとつでもあってもいいと思うのですが」
「久しぶりだから、夢中になって遊んでいるのかもしれないわね。
 昔から、仲の良い兄弟だったのですもの♪」

ピシッ・・・冴木の心にいらだちの亀裂が入る音が響く。

にっこり微笑んで上品に紅茶の器に唇を当てる柊一の母には、
もちろん聞こえない。


今日の冴木は、ついてなかった。
本当なら、柊一とふたりで、彼の実家でゆっくりする予定だったのが、
冴木だけ急な呼び出しとなり、
ひとりでも行けるから・・・・と遠慮する柊一を説き伏せて、
とりあえず実家まで送り届けたのだった。


「兄さん、久しぶり!あれ?冴木はこのあと仕事なの?」

くったくのない笑顔を向ける桔梗は、大学生。
身長は冴木よりわずかに低いが、男らしい体躯にきれいな筋肉を付けていた。
「はい、申し訳ありませんが、柊一さまをお願いします。
夕方には、お迎えにまいりますので」
素直に詫びを入れる冴木に、桔梗は意地の悪い笑顔で応じた。
「別に、冴木が謝る必要はないよ。
それじゃ、今日は僕が兄さんを独り占め出来るんだ!
ねっ、兄さん、一緒に出かけようよ」
「・・・えっ?・・・ああ、・・そうだな。一緒に映画でも見に行こうか?」
柊一は、ひとり仕事に向かう冴木を済まなそうに見ると、ひかえめに提案した。

ひとり車に乗り込んで、見送ってくれている柊一をミラーで確認すると、
その細い肩を抱き込むようにした桔梗の唇が、何かを囁きながら柊一の頬に近づくのが見えた。
「・・・・・」
昔、柊一が桔梗にキスされている場面を見てしまったことがある。
持っていた物をすべて落としてしまうほどの衝撃。
後に確認すると、桔梗がふざけてした・・・と柊一は気楽に答えていたが、
冴木には、もっと深い思いがあるように思えてならなかった。
しかも、冴木に対する対抗意識のようなものも、確実に感じる。

実の弟に対して、嫉妬するのもおかしいとは思う。
思うが、嫉妬してしまうほど柊一の存在は特別だから。
「何があるとは思えないが、なるべく早く仕事を済ませて、お迎えにあがらなければ・・・」



夕方になり、用件を無事に済ませて迎えに来てみると、
肝心の柊一は、まだ帰っていないと聞いて、疲労感が押し寄せる。

「それにしても、一体どちらまで行かれたのでしょう」
「あら、わたくしったら、言わなかったから?
あのふたり、遊園地に出かけたのよ」
「えっ?・・・ゆう・・・えんち・・・ですか」

思いも寄らない場所だった。
日本で一番有名な巨大テーマパークに、桔梗の運転で出かけていたなんて。

桔梗さま・・・私への当てつけですね。

そうとしか思えない。
だいたい、ハタチ過ぎのいい年をした兄弟で、どうしてテーマパークなのだ。
柊一を助手席に乗せて、ドライブだなんて、兄弟の休日の過ごし方ではないだろう。
それは、まるで・・・。
恋人同士のデート。
しかも、遊園地。
冴木はまだ、経験していないし、思いつきもしない趣向だった。

冷めた紅茶をがぶ飲みする冴木の胸には、身を焦がすような重いが募っていった。



「ただいま!」
「遅くなってごめん・・・って、冴木、ずっと待っていてくれたのか?」

にぎやかで華やかなテンションをまとったふたりが帰宅したのは、暗くなってからだった。

大きなぬいぐるみを母親に贈り、使用人達にもいろいろな種類のお菓子を渡したり、
家中が楽しい雰囲気に包まれていた。

「兄さんって、意外と絶叫系も大丈夫なんだね。もっと怖がってくれると思っていたのに。」
「あ・・・そうかな。実は、ずごく怖かったんだけど、隣が桔梗だから我慢していたんだ」
「なんだ~、気にせずに抱きついてくれたらよかったのに~~~残念だな」

ちょっと口を尖らせた桔梗は、その視線をすばやく冴木に投げかける。
「冴木はどうなの?」
「・・・何がでしょうか?」
「絶叫系とか、大丈夫?」
「あまり経験がないので、何とも言えませんが」
自分に対するある種の対抗意識を感じて、再び胸が沸々と音を立てる。

「それなら、今度一緒に行こうか、冴木?
お前さえイヤじゃなかったら、今度はお前と行きたいな」
小首をかしげて誘う柊一の言葉に、一瞬のうちに心が凪いでくる。
そうだ。
やっぱり柊一さまは、恋人である自分と過ごしたいんだ。

さらに、柊一から、小さな箱が手渡された。
「ペーパーウエイトなんだ。お前は、こういう可愛い小物は、
あまり好みじゃないかもしれないけど、せっかくだから。」
「ありがとうございます。大切に使いますね」
心からうれしくて、受け取った。

夕飯を是非にと誘われたが、言葉を尽くして辞退して、柊一を車に導く。
自身も乗り込もうとしたそのとき、桔梗に呼び止められた。

「冴木・・・・・これ。どうしようかと思ったけど、やっぱりお前にあげるよ」
そう言って薄い紙袋を押しつけられた。

キラキラした光のパレードが美しかったとか、
着ぐるみのキャラクターの誰に会っただの、
誰とハグしただの、
柊一からの報告は、弟との遊園地の一日の楽しいエピソードばかりだった。
桔梗がどう思っていても、しょせんふたりは兄弟。
そして、自分たちは恋人同士なのだから、バカみたいな嫉妬は不要だ。
どんな表情も、どんな姿態も、自分にすべてを見せてくれるのだから。

柊一の笑顔を見ていると、つまらない嫉妬にさいなまれた自分が、
バカみたいに思えた。

夕食の後に、桔梗に手渡された袋の中身を確かめて、再び冴木はかたまった。
写真が二枚。
一枚は、おそらくカメラを向けている桔梗に向かって、満面の笑みを浮かべて
手を振る柊一のアップ。

・・・柊一さま・・・こんな表情を無防備にさらしてくるとは・・・。
しかも、わざわざ当日仕上げで、私に手渡すとは・・・桔梗さま。


さらに、二枚目は、キャラクターに囲まれている柊一と桔梗。
スタッフにでも撮影を頼んだのだろう。
桔梗は、柊一を背後からしっかり抱きしめており、
白い首筋に顔を埋めんばかりの構図だった。

・・・桔梗さま・・・こんなふうに柊一さまを抱きしめるとは・・・。

しかも。
柊一の髪には、このテーマパークのキャラクターの耳が付けてあるではないか。

・・・・・・・・つけ耳。

見たこともない凶悪なほどの可愛らしさに、とうとう冴木の理性が振り切れる。


「柊一さま!」
「・・・なに・・・冴木?」
パジャマ姿の柊一の手首を握ると、向かい合わせに自分の膝に座らせる。
「どうしたんだ、急に?」
「来週は、私と行ってくださいね、遊園地。」
「・・・ら・・・来週?」
「そして、耳、つけてください」
「耳?」
「そうです、耳です。あ、付けて歩くのはダメです。
私の前でだけ、付けてください。いいですね、約束ですよ」
「・・・う・・・うん」
言っていることが強引で無茶苦茶に思えるが、そんなことを教えてやれる雰囲気ではなかった。

「それじゃ、昼間は桔梗様とたっぷり楽しまれたようですから、
夜は、私とたっぷり楽しみましょう」
そう言うと、そのままベッドにもつれるように倒れ込んだ。
「さ・・・さえ・・・う・・んん・・・」
舌を絡め合い、しめったキスに、溺れる。
「柊一さま・・・今日は、余裕がありません。
すいません・・・でも・・・もう・・・あなたを誰にも触らせたくない」
何度も角度を変えて深く口づけて、顔中に軽いキスを浴びせる。
「・・・バカだな・・・こんなこと、お前にしか許さないのに。
でも、そうだったな・・・お前は一日仕事だったものな・・・。
いいよ、来いよ・・・鷹成」
両手を広げて、冴木を抱き込むと、思い切り深い口づけを与える。

柊一の中に、早くはいりたい。
内側から柊一を感じたい。
熱く締め付けられて、互いしか見えないまま、揺さぶりたい。
何度でも突き上げて、自分を感じさせたい。
あふれてもあふれても、自分を注ぎ込みたい。
自分だけで、いっぱいにしたい。


夜がすっかり深くなった頃。
冷たい水を口移しで柊一に飲ませる。

しなやかに身体を開いて自分を受け入れる柊一には、まったくかなわない。
我を忘れて、狂ったように、その細い身体を求めてしまった。



「あ・・・そう言えば冴木。
あのテーマパークに入った時、お前の声を聴いたんだ」
「私の・・・声ですか?」
「ああ、あれは、気のせいとは思えない・・・お前の声だ。
だから、来週は一緒に出かけような・・・」

ささやくようにそれだけ言うと、柊一は冴木の胸に頬を寄せて、再び眠り始めた。

「私の声など、聞こえるはずがないのに・・・」
瞳を和らげて、柊一の髪に静かに口づけを落とす。

でも、来週は私と一緒に出かけでくださいね、柊一さま。

アヒル。the End


にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
人気ブログランキングへ





スポンサーサイト

COMMENT

Comment Form


秘密にする
 


TRACKBACK

TrackBack List


インフォメーション

彩香とれんの萌え満載のBL二次創作小説ブログです♪
れんによる『えれなさんのBL小説スレイヴァー○』シリーズの二次創作SS☆
現在、彩香による『ShokoさんのBLコミック○○な朝』18禁二次創作SS更新中♪いずれの作品も原作・版元には一切関係のない個人の創作になります。了承の上お楽しみくださいませ。



プロフィール

lisa

Author:lisa

レンタルサーバー


Author:lisa
昼は社会人、夜はハードなBL星人です。
無理矢理が大好物なドS属性。
濃ゆくて切ないBL小説が書きたいの。
現在、Hidaka Shoko先生のBLコミック『憂○○朝』に萌え暴走&妄想&二次創作中です。
桂木が好き過ぎて困る。
誰か止めて…笑

lisaの萌えブログ「BL萌え的生活」へはリンクから飛べます^^


Author: れん
Elena先生のBL小説「ス○○○ーズシリーズ」の二次創作担当です。
甘い柊一さまと冴木をお楽しみくださいませ。
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
創作検索ぴあすねっとNAVI
yu_asa
憂鬱な朝2


title="駄文同盟.com 【全創作系個人サイト検索エンジン!】">
駄文同盟.com









FC2ブックマーク





カレンダー

03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -



FC2カウンター



全記事表示リンク

全ての記事を表示する



Book Mark !



フリーエリア



フリーエリア



フリーエリア



ブログ内検索









QRコード

QRコード



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



Copyright © BL創作小説さくらのはな All Rights Reserved.
テンプレート配布者: サリイ   素材: ふるるか  ・・・ 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。