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2008.07.04 *Fri*

『エスコート~無自覚な小悪魔~』(『スレイヴァーズ』シリーズ二次創作) byれん

『お疲れ様です、柊一さま。会議が早く終わりました。一緒に食事でもどうですか。
何か食べたいものはありますか?』
冴木からのメールに、表情がゆるむ。
『会議お疲れ様。特に思いつかないけれど。お前は何がいい?まかせるよ。』

変わり映えのない内容だったが、すぐに返事が来て、
指定された喫茶店で待ち合わせとなった。

こうやって、急に誘われるのも、やっぱりうれしいものだな。
何となく気持ちが逸って、20分も前に着いてしまった。

カフェオレのカップを持ちながら時間を確かめていると、
隣の二人連れの話が偶然聞こえてきた。

「初めは良かったんだよな~、こいつ、可愛いぞって」

・・・恋人の話か・・・?

「でもさ、何度誘っても、『何処でもいい』とか
『あなたにまかせるわ』なんて言われると、
本当に俺とデートしたいのかなって、勘ぐりたくなるんだよな~」
サラリーマン風の男がぼやくと、向かい側の男も同調する。
「あ~~、それ、わかる!常に受け身って、物足らなくなるよな」

・・・常に受け身って、物足らなくなる?

ほとんど同じ内容を、自分はさっきメールしたばかりだ。
しかも、振り返ってみると、どこかへ行こうというような誘いの
ほとんどは、冴木からだった。

自分は冴木にこんなところまで、頼り切っていた?
こんな自分を、冴木はどう思っていたのだろう・・・。
愛情を疑うつもりは、まったくない。
しかし、いつも冴木に甘えてばかりではいけないと思う。
誘われるばかりでなく、時には、自分から冴木のために、動いたほうがいいのではないか。

生真面目な柊一は、自分の非を自覚すると、すぐに行動を修正すべく、
計画を練り始めた。
休日の朝。
ベッドで濃密なキスを交わし合い、
パジャマのボタンをはずされる前にかろうじて冴木の腕から逃れた柊一は、
冴木に声をかけた。

「もし、疲れてなかったら、今日は、一緒にでかけないか?」
昨夜は、疲れるようなことを何もさせてもらえなかった冴木は、
当然、どこへでも一緒に行く勢いで、さっそく着替え始めた。

「柊一さま、どちらへ行く予定ですか?」
「海に行こうかと思って。お前は、それでもいい?」
「・・・もちろんです・・・でも、なんで急に?」
下りのエレベーター内で、ちらっと柊一を見て冴木が尋ねる。
「何となく、お前と一緒に・・・行きたくなったから」
うつむいて小さくつぶやくと、冴木が肩を抱き寄せた。
「・・・うれしいです」

恥ずかしさに頬を赤らめながらも、柊一は、心の中で確信した。

やはり、冴木は僕が積極的になることを望んでいたんだ。
よし、これまで甘えてきた分を補うためにも、
今日は精一杯、僕が冴木をエスコートしよう。

本気になった柊一の恐ろしさを、冴木は身をもって知ることとなる。

「柊一さま、すいません、うっかり地下に来てしまいました」
「ああ、いいんだ。」
地下駐車場に到着すると、来客用スペースに向かった。
見知らぬツーシートのスポーツタイプの車の助手席側に、冴木を案内する。
「・・・柊一さま?」
「さぁ、冴木、乗って」
「・・・・・・」
女の子をエスコートするような優雅な動作でドアを開けると、
冴木の腕を軽くとって導く。
「今日は、お前が助手席だよ」
「柊一さま、これは、どういうことです。私は・・・」
あらがう動作を見せると、柊一は素早く運転席側に回り込み、
さっさと乗り込んでしまう。
「早く乗れよ、冴木。置いていってもいいのか?」
キーを回して、シフトレバーに手をかけると、アクセルを踏み込んだ。
口角をちょっとあげて、下から見上げる表情は、いつになく色っぽい。

あわてて助手席に乗り込むと、なめらかな加速で車がスタートした。
サングラスをかけた柊一の横顔は、見とれるほど美しかったが、
どこか知らない人のようにも見えて、冴木を落ち着かない気持ちにさせる。
左右の安全を確かめると、無駄のないステアリング操作で公道へと進む。
「柊一さま、今日はどちらに向かうのですか?」
「・・・僕にまかせてくれていいよ。それとも、心配?」
「いえ・・・心配などしてませんが・・・あの・・・柊一さま、信号が黄色です」
「わかっているよ。黄色は気を付けて進めだ。」
「あ・・・そうなんですが・・・えっと・・・」

自分で運転する者にとって、ブレーキやアクセルのタイミングが違う人に
同乗することは、結構ヒヤヒヤするものである。
柊一の運転は、もちろん安全ではあるが、
冴木自身のそれと比べると、
アクセルの踏み込みが深くて、しかもブレーキのタイミングが遅い。
ぶっちゃけ(←冴木のボキャブラリーには無い言葉であるが)、怖いのだ。
「柊一さま、100キロ超えています。ちょっとスピード出し過ぎです」
「大丈夫だよ。雨も降ってないし、高速なんだし、問題ないだろう?」

大問題ですよ!
普段は、優雅でどちらかというとおっとりしているのに、
何なんです、この豹変ぶりは。
ハンドル握ったら別人ですか?
ベタすぎです、柊一さま!

「あ、そこに飲み物入っているから、よかったら飲んでくれ」
「・・・あ・・・はい」
「ところで、熱海と横浜、どっちがいい?」
「横浜がいいです!」
・・・お台場でもいいくらいだ。
とにかく、こんなドライブは早く切り上げたい。
冴木は、いつになく身体を緊張させて即答した。
「じゃ、横浜へ行こう」

CDから流れるクラッシックは、とても心地よい旋律だった。
・・・・・おそらく。
運転しながらの柊一のガイドも、的確で楽しめるものだった。
・・・・・たぶん。

高速に乗ってから披露された果敢な車線変更は、
冴木の神経を焼き切らんばかりのストレスとなっていた。
海の見える駐車スペースに車をとめる頃には、身も心もぐったりだった。

・・・柊一さまの運転は、はっきり言って恐ろしい・・・。
帰りは絶対に自分がキーを取り上げてしまおう・・・と思った。


ベイブリッジ、そして桜木町のランドマーク。
同じ物を見て、ともに楽しめるひとときの何でもない幸せを感じる。

人波をさけて、海風に吹かれながら、あてもなく歩く。
そんな普通のことが、こんなにも穏やかで楽しい。

「冴木、今日のデートはどう?」
「・・・ありがとうございます。たっぷり堪能しました」
「そうか、よかった」
「それにしても、急にどうされたのですか?
ご自分でレンタカーを借りたり、ひとりで計画したり。
言ってくださったら、私もお手伝いしましたのに」
隣を歩く柊一の手を優しく握って、立ち止まらせる。

「いや、それじゃダメなんだ。僕が、自分でエスコートしたかったんだ」
「・・・どういうことです?」
少し照れた表情を見せながらも、喫茶店でのやりとりから始まる一連の流れを
かいつまんで説明した。
「つまり、僕が積極的にお前のために動きたかったんだ。
僕たちの・・・その・・・愛情のために、僕自身がすることが大事だったんだ」
まっすぐに冴木を見つめるまなざしは、真摯で誠実なものだった。

「・・・・・あなたという人は、どうして・・・」
「・・・えっ?」
「だから私は、あなたに・・・」
少し目を細めた冴木は、にっこり笑うと、柊一の肩を抱きしめた。

「わかりました。そういって頂けると、うれしいです。
それでは、存分に私のために、動いてくださいね」
「え?・・・冴木?・・・・・・一体どこへ?」

とまどう柊一の腕をつかむと、ズンズンと車へと向かう。
助手席を開けると、柊一を乗り込ませて、
あっという間に、発進させてしまった。

「冴木?どうかしたのか?何か、気を悪くしたなら、誤解だから」
「私は、何も誤解などしていません。
あなたの気持ちがうれしいから、もっとあなたに動いて頂くつもりです」
「冴木・・・?」


行き先は、品が良くて静かなホテルだった。
かみつくような深いキスを交わしながら、
服をはぎ取ると、
いきなり柊一自身を口に含みながら、その後ろを指で馴染ませる。
「さえ・・・・あん・・・やめっ・・・」
「さぁ、準備はして差し上げましたよ。
どうぞ、あなた自身が、存分にわたしのために動いてください。」

そのあとは、冴木の思うがままだった。
座らされて、自分の体重で、いつもよりも深く冴木を受け入れた柊一は、
「私のために、動いてください。そうしたかったのでしょう?」と言葉で煽られ、
容赦なく突き上げられて翻弄され、
ピンクの胸の尖りをきつく舐めしゃぶられて、理性を手放す。


「あなたがエスコートして良いのは、私だけです。
それから・・・積極的なあなたも、はじらいながら感じるあなたも、
私は大好きですから、安心して、お好きなだけ私に抱かれていてください、柊一さま」

柊一の尊い決意は、冴木によっていささか拡大解釈されたものの、
忘れられないエスコートになったことは、違いなかった。

チューリップthe End

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