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2008.07.20 *Sun*

『夏は浴衣』(「スレイヴァーズ」二次創作) byれん

「やぁ、柊一くん、おはよう。毎日暑いね」
「おはようございます、若宮先生。本当に、蒸し暑いですね」

自社ビルのエントランスで偶然に出会った顧問弁護士は、
上着を片手に、汗をぬぐいながらも颯爽とした出で立ちだった。

「そういえば、ちょっといいかな?」
「はい・・・なんでしょうか」
「もし、心当たりがあれば教えてもらいたいのだが」
「・・・はい」
「柊一くんは、いい呉服屋知っているかい?」
「・・・呉服屋・・・ですか?」
予想外の話に、少しとまどう。

「ああ。品があって今風な浴衣が欲しいんだ。
あ、それと、素人にも親切な店じゃないと、困るな」
「・・・あの・・・それって・・・」
「実はね、内緒なんだが、早瀬に浴衣をプレゼントしてやろうと思って」
「早瀬さんに・・・」
表情と声に、プライベートな甘さが含まれる。
「ああ。きっとよく似合うと思うんだが、本人が全く興味を示さなくてね。
もったいない。似合うと思わないか?そこで、こっそり俺が見立てて、
着せてやろうと思って」
「早瀬さんに、浴衣ですか・・・きっと涼しげでよく似合うでしょうね。
確か、母が懇意にしている店がありましたから、聞いてみます。」
「悪いね、忙しいのに」
「いえ」

若宮を見送った後で、ふと考える。

浴衣・・・か。
確かに、早瀬にはよく似合うだろう。
でも、きっと冴木だって、とてもよく似合うと思う。
男らしい肩、きれいに筋肉のついた胸、絶対に映えるはずだ。
そういえば、実家には、以前あつらえてもらった着物があったはず。
浴衣は・・・なかった・・・かな。
うん・・・やっぱり、この夏は、冴木に浴衣を着せてみたい。

若宮の話を聞いて、突然ひらめいた考えに、柊一は心がはずんだ。

せっかくなんだし、僕も一緒に行って冴木の浴衣をあつらえてもらおう。



「若宮先生ですか。はい、さきほどの件ですが・・・」

柊一の行動は、一度決めたら、いつもながらに迅速だった。
昼休みに母親に電話して教えてもらった内容を若宮に伝え、さらに、
あることを打診した。

「先生、もし、ご迷惑でなかったら、僕もご一緒してよろしいですか?」
「えっ?柊一くんが?」
「ええ、実は・・・僕も浴衣をあつらえたくて・・・あの・・・冴木のですが・・・」
「そうか。うん、かまわないよ。
というか、ひとりでいくのは、いささか心細かったから、助かるよ。
それじゃ、このことは冴木には内緒なんだね?」
「はい、そうして頂けると、ありがたいです」
「わかったよ。お互いに、サプライズを楽しもうじゃないか。それじゃ、金曜日の7時に」


恋人のために、内緒のプレゼントを準備する。
こんなにワクワクするのは、初めてかもしれない。
冴木の帰宅が遅いときや、風呂に入っている間、柊一は浴衣選びの参考のために、
ネットであちらこちらを見て回った。
その口元は優しくほころび、瞳はいたずらっ子のように輝く。
風呂上がりの冴木が浴衣を着た姿を想像して、うっかり見とれることも、何度かあった。
「どうかされましたか、柊一さま?」
「あ・・・いや、なんでもない」
なんとなく、落ち着きのない、しかし少し浮かれたように楽しそうな柊一の表情を
冴木は怪訝な面持ちで見つめていた。


約束の金曜日。
待ち合わせは、店の最寄り駅の改札だった。

「おまたせしました、柊一さま」
「えっ?」
そこに現れたのは、若宮ではなく、冴木本人だった。
「冴木・・・どうしてお前が?」
「詳しい話は後です。若宮は来ませんから、私と一緒に行ってください。
呉服屋の松栄ですね。」
「う・・・うん」
促されて、タクシーに乗り込んだ。

「冴木・・・あの・・・」
「柊一さま、浴衣をプレゼントしてくださるそうですね。
早瀬から聞きました。」
「え・・・早瀬さんから?」
訳がわからないという柊一に、冴木は淡々と説明した。
「早瀬から電話をもらいました。
若宮が、面倒なことを柊一さんに頼んだらしいと言うこと。
さらに、ふたりで浴衣を選びに行くらしいと言うこと。
せっかくなのだから、私自身が柊一さまと一緒に行く方がいいと、早瀬が勧めてくれたんです」

「でも、このことは早瀬さんには内緒だったはず・・・」
「はい、若宮がこっそりネットで浴衣をチェックしたり、思わせぶりに、
早瀬の好みを尋ねたりしていたようです。
ちょっと、つついたら、ボロボロと白状した・・・とのことですよ」

若宮先生・・・ちょっと気の毒だな。

「私に内緒で、こんなことを計画するなんて」
「でも、冴木、これはお前のためのサプライズなプレゼントで」
「わかっています。
わかっていますが、それでも、私以外の男と一緒に、
あなたが行動するなんて。
それを黙って見過ごせるほど、私は心が広くはありませんので」
「・・・冴木・・・ごめん」
「いいんですよ、柊一さま。ただ、あなたも浴衣をあつらえてください。
一緒に選びましょう。よろしいですね。それと・・・」
冴木は、柊一の耳元に唇を近づけると、甘く低い声で囁く。
「・・・今夜は、寝かしませんよ。あなたには、身体で償って頂きますから」
そういうと、耳たぶを唇ではさみ、キュッと吸い上げた後に、
舌で舐めあげた。
「やっ・・・冴木・・・」


松栄は、畳のいい香りのする、老舗の呉服屋だった。
柊一の母は、家まで品物を持参させて吟味することも多いのだが、
今夜は、わざわざ柊一が来店したことで、品のいい年配の女主人も
実直な雰囲気のその息子も恭しく歓迎してくれた。

紺地、白、深い灰色など、様々な反物が引き出され、浴衣選びが始まった。
どの色も、凛とした柊一の美しさをよく引き立たせる物で、なかなか選び難かったが、
冴木が選んだのは、色目を押さえた深い藍色に水色の模様が全体にあしらわれ、
白い優雅な鳥が描かれた、落ち着いた反物であった。
冴木のために、柊一が選んだのは、
濃い紺地のシンプルな反物で、角帯は、白地に精緻な模様を織り込んだ美しいものだった。

寸法を採られ、仕上がり日を確認すると、再びタクシーで帰路につく。

「冴木、疲れただろう?」
「いいえ、柊一さまこそ、随分熱心に選んでおられたようですが、大丈夫ですか」
「ああ。とても楽しかった。仕上がりが待ち遠しいな」
「はい、そうですね。それに、こんなひとときを、若宮に横取りされなくて、よかったです」
「あ・・・ごめん。」
「もう、謝らないでください。
それよりも、柊一さま・・・・・」
冴木は柊一の肩を抱き寄せると、そっと囁く。
「今夜は、あなたに・・・・・させてください。
そして、あなたは私の・・・・・を・・・・してください。いいですね」
「え、冴木・・・ちょっと・・・」
もちろん、前の運転手には聞こえてはいないが、
そのエロティックな内容に、思わず首まで真っ赤に染めて、うつむいてしまう。

「本当に、仕上がりが待ち遠しいですね、柊一さま。
でも私は、正直言うと、あなたに浴衣を着せるよりも、脱がせる方が、ずっと楽しみですよ」

可愛く恥じらう柊一を堪能しながら、さらにおのれの欲するまま我が道を行く冴木だった。

星The End
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