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2008.08.17 *Sun*

「イベント・デート~無自覚な小悪魔シリーズ」(『スレイヴァーズ』二次創作)

「柊一さま・・・ちょっと・・・。
 あ、すいません、通して頂けますか。
 待ってください、柊一さま。柊一さま!」

早朝から30度を超す猛暑の中、ごった返す人波を予想外の素早さで進んでいく
華奢な背中を追いかけている。

週末を恋人らしく過ごしたい。

この思いは柊一さまも同じなようで、最近は、美術館や写真展だけでなく、
スポーツ観戦やコンサートまで楽しむようになった。
そして、今日は、仕事の関係でもらった招待パスを持参して、
ある大手出版会社のイベント会場に来ていた。

「柊一さま!」
「ん?どうかしたの、冴木?」
「おひとりで、どんどん進んでしまわれるから、心配しましたよ」
さりげなく息を整えながら声をかける。

「大丈夫だよ。子どもじゃないんだから。
それよりも、向こうに作家の特設ブースがあるみたいだから、行ってみよう」
そういうと、俺の返事をきくまもなく、歩き出そうとする。

「柊一さま、お待ちください。」
「何?」
「暑いですから、水分補給です」
そういって、ミネラルウオーターを差し出すと、
ちょっと不服そうに俺を見上げながらも、素直に飲み始める。
ゴクゴクと飲み下される喉の動きにうっかり視線が釘付けになる。
飲み終わる瞬間に、唇の端からあふれた水が、
なめらかな曲線をたどりながら、
ゆっくりと鎖骨にたどり着く。
昨夜の自分の濃密な行為を思い出して、
朝だというのに、身体が熱くなるのがわかった。

「どうか・・・したか、冴木?」
「・・・いえ。そろそろいきましょうか」
そういいながら、俺は柊一さまのシャツのボタンをひとつはめ直した。
暑いからといって、こんなに開けていては目の毒だ・・・俺自身の。

ひとつひとつの作家ブースをのぞき込み、
時々、その著書を手に取る。
読んだことがあるか、何が面白かったか、など
他愛ないおしゃべりをしながら先に進んだ。

こうした、当たり前のひとときが、こんなにも楽しいのは、
柊一さまと一緒だからだ・・・つくづくそう感じた。

そうこうしているうちに、ひどくごった返しているスペースが見えてきた。
「あれは、なんだろう」
「そうですね、何かステージがあるようですね」
「行ってみよう」

柊一さまのこういう好奇心の強さや行動力には、新鮮な思いがした。
普段は、思慮深くて落ち着いた雰囲気が前面に現れているが、
本来は、こんな活発な一面も持ち合わせておられるのだ。

置いて行かれないように、慌てて歩き出すと、
柊一さまは俺の手をとり、そのまま腕まで絡ませた。
「柊一さま・・・」
「お前が迷子になったら・・・困るだろう?」
そういうと、上目遣いでにっこりと微笑む。

まったく、この人にはかなわない。


スペースに近づくと、それが若者に人気のあるテレビアニメのイベントコーナーで
あることがわかった。
どうやら、この出版社は、アニメの原作を手がけており、
最大のスポンサーとなっているらしい。

なんだ、アニメか・・・。
当然柊一さまも、通り過ぎるだろうと思っていた。
しかし・・・。

「・・・これ、桔梗が気に入っていたアニメだ」
「えっ・・・・」
桔梗さま・・・こんなところで、この人の名前がでるなんて。
水を差されたようで、ちょっとイヤだ。

「へぇ・・・今日は、声を出している声優もゲスト出演するんだって」
「はぁ・・・」
声優が来るからって、なんなんだ、一体。
「そう言えば、ここに出ている声優さんに、声が似ているんだって」
「似ている・・・って?」
「僕の声が、似ているそうだよ。」
「誰がそんなことをあなたにいったのですか?」
「うちの課のアシスタントの女性たちだよ」
「・・・・・・・・・・・」
「彼女たちが好きな声優さんと声が似ているって。
良い声だって、『カッコ可愛い』って褒められたよ。
カッコ可愛いなんて、言葉、はじめて聞いた」
軽く笑う声も、俺にはぼんやりしか聞こえてこなかった。

柊一さまの声を褒めた?
イイ声だって?
カッコ可愛い?


イイ声を聴いていいのも、褒めていいのも、俺だけなはずなのに。
言いようのない熱い感情に、たちまちのうちに支配される。

「柊一さま、帰りましょう」
「え?」
柊一さまの腕をとり、肩を抱いて人の間をかき分ける。
目指すは、イベントの退場口だ。

「冴木、ちょっと待てよ。何で帰るんだ。桔梗に何か土産を買って帰りたいのに。」
「帰ります」
「まだ見ていないスペースもあるのに。冴木!」
「いいから、帰りますよ」

屋内駐車場には人影もなく、自分たちの足音ばかりが大きく響いていた。

「冴木。なにを怒っているんだ?」
「・・・怒ってません」
「嘘だ。怒っている」
「怒ってなどいませんから」
車内は、気まずい雰囲気のまま、広尾のマンションにたどり着いてしまった。

こんなはずでは、なかったのに。

シャワーを浴びてリビングの戻ると、バスローブ姿の柊一がソファにもたれていた。
「冴木・・・」
促されて、隣に座る。
「なんか、喧嘩しているみたいで、イヤなんだ」
「柊一さま」
「どうして、急に帰ろうとしたのか、ちゃんと説明してくれないか」

え・・・。
アシスタントの女性に嫉妬したと白状しろと言うのだろうか・・・。
自分の知らないアニメのことを、桔梗様と話していたことが面白くなかった、
と言わなければならないのだろうか。
どうしようかと、視線が泳ぐ。

「冴木・・・」
柊一は、冴木の膝に乗り上げる勢いで近づくと、ローブのあわせがはだけるのもかまわずに、
身を寄せてきた。
「柊一さま・・・あ・・・」

もうダメだ。
心の狭い自分をさらしたくはないが、こんな状態で迫られては、とても太刀打ち出来ない。

「すいませんでした。あなたが・・・声を褒められた何ていうから。」
「だから?」
「あなたの声も、身体も。・・・心も、私だけのものなのに。
他の誰にも、聞かせたくないと思ってしまって」

恥ずかしい告白を、素直に打ち明ける。
まるで、子どもみたいだと思いながらも、こんなにも素直になれるのも、
この人の前だからだ、と改めて思う。

「ヤキモチをやいたのか?」
うっ・・・あからさまな言葉で確かめられる。
「・・・そうです」
「そうか。・・・わかった。もう、いいよ」

許しの言葉にほっとするまもなく、熱い身体を感じて驚く。
「柊一さま?」
白い太ももをあらわに、膝立ちの姿勢で俺の膝に乗った柊一さまは、
チュッ、と音を立てて、素早く口づけると小さく囁いた。

「可愛いな・・・鷹成」
「柊一さま・・・」
「どうしたの、さっきから、僕の名前ばかり呼んで。
他に、言いたいことはないのか?」

ほとんど唇が触れるほどの距離でねだられる。

「愛しています・・・。
おろかな嫉妬に狂いそうになるほど、あなたを愛することを、許してください」

柊一さまの指が、優しく髪を愛撫するのを感じながら、じっと見つめあう。

「お前だけだ。許してやる。」

あふれそうな思いのまま、何度も口づけをかわす。
「私のためだけに、声を聴かせてください」
「ああ・・・聴かせてやるから・・・早く・・・冴木・・・」

柊一さまの中心に指を絡めると、甘い吐息を吐きながら白い胸が仰け反った。
我慢出来ずに、赤い尖りに唇を落とす。
「あっ・・・さえ・・・・ん・・・」
舐めしゃぶり、音を立てて吸い付き、噛みつく。

この甘い声は、俺だけのものだから。
あなたが、それを俺だけに許してくれるから。



・・・やはり、愚かな嫉妬というものも、愛すべきものなのかもしれない。

とはいうものの、声優好きのアシスタントの人事異動は、冴木の胸の中では決定事項だった。

LOVEThe End
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