04
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
< >
--.--.-- *--*

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2008.05.28 *Wed*

『あいなめ』(「スレイヴァーズシリーズ」二次創作小説) 読みきり♪ by れん

夏を思わせる明るい日差しも、夜ともなれば少し肌寒さを感じる5月半ば。
僕と冴木は、倉敷での取引先との交渉を終えて、オフィスビルを後にした。

「明日はもう一カ所回るんだったな?」
「はい、柊一さん。ですが、出発は比較的ゆとりがありますから、
 今日はゆっくりなさってください」
「・・・・・ゆっくり?」
「はい、うまい刺身を出す店があると教えてもらいました。
 行ってみませんか?」
「・・・刺身・・・か」
「地酒もいろいろそろっているらしいですよ。
 もし、お疲れでなければ、どうですか?」
「そうだな、行ってみよう」

駅前の繁華な雰囲気から少し離れた店は、地下にあった。
細い階段を下りると、意外と明るいフロアが広がっていた。
ついたてで区切られたスペースに案内される途中に、
大きないけすがあり、いろいろなさかなが泳いでいる。
こういう店は、初めてかもしれない。
めずらしくて、ついキョロキョロと見回しているうちに、
テーブルを囲む、一番奥の座席に座らされた。
冴木は、角をはさんだ手前に、腰を落ち着けた。
・・・ちょっと近づき過ぎじゃないか・・・と感じて、
少し横に離れようとすると、やんわりと手首を握られる。
「どうして離れるんですか。この店は落ち着きませんか?」
「そんなことはないが。・・・おいっ・・・」
「それなら、いいじゃないですか。隣にいてください」
「冴木!お前・・・近づきすぎだ」
「いけませんか?はい、わかりました。
はずかしいんですね、では、これ以上はくっつきませんから、
あなたも、離れないようにしてください。」
そう言って、ちょっと笑みを浮かべると、
素早く僕の指先を唇に押しつけて、手をそっと放した。
「あ・・・・・・・」
あまりにも自然な流れで行われた大胆な仕草に、呆然としてしまう。
・・・こういうことができる男だったのか・・・
それなのに、冴木は、なんかいそいそとした感じで、
ビールを手早く注文すると、大きなメニューを開いて吟味し始めた。
あれがいいか、これがいいか、僕の意見を聞きながら迷う姿を見ていると、
なんとなく微笑ましい。
「甲斐甲斐しい・・・っていうのかもな、こういうの」
これまでだったら、絶対に連想しなかった日本語が、頭に浮かんだ。
こういう冴木は、なんか可愛い。

柊一さんは、居酒屋の雰囲気がめずらしいのか、
さっきから、好奇心いっぱいな様子だ。
今日のお薦めを尋ねると、あいなめの刺身だという。
柊一さんに確かめると、それが良いと言ってくれたので、
それを注文して、さらに、うまいと薦められたタコや、焼き魚、揚げ出し豆腐、
サラダ、しゃこの揚げ物を頼んだ。
地酒は、知らない銘柄だが、ひととおり風味の説明を聞いて、
あとは、柊一さんに決めてもらう。
「本当に、あれでよかったのか?」
「いいんですよ、あなたが選んでくれた酒を飲んでみたいんです」
店員が、今日のあいなめは、活きがいい、
どうぞご覧になってご自身で選んでくださいと薦める。
俺としては、さかなに興味はないので、まかせようとすると、
柊一さんが、見てみたいと言い出した。
いけすに身を乗り出して見つめる横顔は、どこか子どものようで、
さかなのウンチクを披露する店員を見つめる真剣なまなざしに、
うっかり嫉妬しそうになる。
運ばれてきた酒をついで、一口味わう。
心配そうに俺の顔を見ている柊一さんに、
「うまいですよ、あなたも飲んでみてください」
と薦めると、うれしそうに微笑んで杯を上げる。
あなたが選んだものなら、何だってうれしいのは俺の方なのに、
俺が気に入ったことを、心から喜んでほころぶように微笑み返してくれる
柊一さんが、愛おしい。

焼き魚が来ると、冴木は、さっさと自分の前に置いてしまった。
器用に骨をよけて、ふっくら焼き上がった身をほぐし始めると、
「はい、どうぞ柊一さん。」と小皿に乗せてくれる。
自分でできるからと言っても、やんわりはぐらかされたまま、箸は止まらない。
ずいぶんな子ども扱いに、軽くにらみつけていると、
大振りの皿にバランスよく盛りつけされた、あいなめの刺身が運ばれた。
「すごい・・・」
「見事な刺身ですね」
そういいながらも箸を動かして、僕の皿に焼き魚の身を積み上げる。
「刺身、食べないのか?」
「ええ、頂きますよ、でも、柊一さん、お先にどうぞ」
透明感のあるきれいな白身の刺身を食べてみると、プリプリとした食感で、
とても美味しい。
相変わらず、冴木は、焼き魚にかかりきりだ。
さっきから、ペースに乗せられているようで、面白くなかった。
「お前も食べてみろよ」
仕方なくそういうと、有無を言わせず、冴木の口元に刺身を近づけた。
自分の手元から視線をあげた冴木の表情は、
びっくりしたような、ちょっと間の抜けた感じだった。
「・・・柊一さん・・・?」
「ほら、お前も食べろよ。手がふさがっているんだろ?食べさせてやるから」

いきなり、新婚さんみたいに食べさせて、人を思い切り煽っておいて、
「プリプリしていて、おいしいだろ?」なんて、さらっと言うこの人には、
まったくかなわない。
だいたい、あ~ん、なんて口を開けて見せたり、
ちょっと首をかしげて見上げるだなんて、
一体どんな拷問のつもりだろう。
いや、そう言う気持ちがないからこそ、柊一さんは、最強なのだと思う。

でも、責任はとってもらいますよ。
ホテルについたら、覚悟しておいてくださいね。

「そう言えば、あいなめ・・・って、なんか、セクシーな語感ですね。
そう思いませんか、柊一さん。」
えっ?・・というように、冴木を見つめる柊一の頬が、さっと赤味を帯びる。
「私も、今夜、あなたをたっぷり愛して、なめまわしたいです。」
甘い声が、したたるように耳元におとされる。

柊一さん、今夜はゆっくり過ごしましょう。

☆END☆
スポンサーサイト

COMMENT

Comment Form


秘密にする
 


TRACKBACK

TrackBack List


インフォメーション

彩香とれんの萌え満載のBL二次創作小説ブログです♪
れんによる『えれなさんのBL小説スレイヴァー○』シリーズの二次創作SS☆
現在、彩香による『ShokoさんのBLコミック○○な朝』18禁二次創作SS更新中♪いずれの作品も原作・版元には一切関係のない個人の創作になります。了承の上お楽しみくださいませ。



プロフィール

lisa

Author:lisa

レンタルサーバー


Author:lisa
昼は社会人、夜はハードなBL星人です。
無理矢理が大好物なドS属性。
濃ゆくて切ないBL小説が書きたいの。
現在、Hidaka Shoko先生のBLコミック『憂○○朝』に萌え暴走&妄想&二次創作中です。
桂木が好き過ぎて困る。
誰か止めて…笑

lisaの萌えブログ「BL萌え的生活」へはリンクから飛べます^^


Author: れん
Elena先生のBL小説「ス○○○ーズシリーズ」の二次創作担当です。
甘い柊一さまと冴木をお楽しみくださいませ。
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
創作検索ぴあすねっとNAVI
yu_asa
憂鬱な朝2


title="駄文同盟.com 【全創作系個人サイト検索エンジン!】">
駄文同盟.com









FC2ブックマーク





カレンダー

03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -



FC2カウンター



全記事表示リンク

全ての記事を表示する



Book Mark !



フリーエリア



フリーエリア



フリーエリア



ブログ内検索









QRコード

QRコード



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



Copyright © BL創作小説さくらのはな All Rights Reserved.
テンプレート配布者: サリイ   素材: ふるるか  ・・・ 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。