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2008.06.06 *Fri*

『携帯電話 ~Protective Lover~』 (スレイヴァーズシリーズ二次創作小説) By れん

「おや?柊一さん、携帯を新しくされましたか?」
「え?・・はい、先週の日曜日に。買い換えたほうがいいと、急に冴木が言い出して。
僕は、前の物でも、特別不便は感じていなかったのですが」
「ほお・・・失礼ですが、拝見してもよろしいですか?」
「ええ、どうぞ」
手のひらからシンプルなパールホワイトの携帯を受け取る。
「どうぞ、開いて頂いて、かまいませんよ」
「・・・それでは・・・ん?・・・これは(くすっ)」
「・・・?早瀬さん、どうかされましたか?」
「いえ、機能性重視で使いやすそうな良い携帯ですね。
もしかして、冴木社長のお薦めですか?」
「ええ、僕にはこれがいいだろう・・・って。正直言って、僕自身は携帯には、
あまり関心がありませんので、電話できればそれでいいかな・・・と」
「私も、柊一さんの意見に賛成です。
とりあえず電話できたら、十分です。
メールとか、案外面倒ですし。」
早瀬は、マメにメールをしてくる恋人のことを思い出し、神経質そうに眉をしかめた。

その翌日の朝。
内線を告げるランプを見ながら、早瀬は受話器を取り上げた。
「早瀬です」
『冴木だが、仕事中に済まない。』
「いえ、結構ですが、何か?」
そういいながらも、予想以上に早い冴木からの連絡に、苦笑いしそうになる。
『仕事の話ではないのだが、時間を取ってもらえるか。』
「はい。いつがよろしいですか?」
『今日の昼は、どうだろう。一緒に昼飯でも食べながら話がしたい』
「では、うかがいます」

「随分高そうな店ですね。こんなに気遣って頂かなくても、私は口が堅いですから、
携帯のことなら、大丈夫ですよ、社長」
連れて行かれたのは、上品な和定食を出す静かな店だった。
早瀬の楽しそうな物言いに、苦い物を味わうように冴木が口をゆがめた。
「柊一さんに、余計なことは言わなかっただろうな、早瀬」
「余計なことって・・・GPS機能付きのキッズ携帯だということですか?」
ほんのかすかな冴木のうめき声を、気づかないようにやり過ごす。
「もちろん、言いませんよ。
いくら、恋人のことが心配だからって、今時、中学生でも持ちたがらないような、
こども用の携帯を持たされているだなんて、柊一さんが知ったら、
ただでは済まないでしょうからね」
うっ・・・と一瞬息を詰めた後、冴木は目を細めて向かい側の席の男を一瞥する。

「あの方については、すべてにおいて私に権利がある。
どんな携帯を持って頂こうと、他人にあれこれ言われる筋合いはない」

おやおや、この冷静で緻密な経営者も、恋人の話になると、こんなにも大人げなくなるものか。
そう思うと、その人間らしいおろかさに、可愛げすら感じる。
「社長。」
「・・・なんだ」
「社長は何か誤解なさっておられます。」
「誤解だと?」
「はい。私は、柊一さんが知ったら、ただでは済まないでしょうとは、申し上げましたが、
あの携帯がふさわしくないなんて、言っておりません。
本人に気づかれずに、いつでも好きなときに好きなだけ現在位置が確認出来る、
あのキッズ携帯の機能は、素晴らしいです。
心配性で過保護・・・あ、失礼しました。
愛情深くて包容力のある社長に、心穏やかに仕事に専念して頂くためには、
柊一さんには是非、あの携帯を持ち続けて頂くことを、切に希望しておりますよ」
平然と飯を口にはこびつつ、しっかり漬け物まで味わいながら、
早瀬は淡々と持論を展開した。

結局その後は、これという話もなく、店を後にした。
子供用の携帯を持たされている事実を、柊一本人に気づかれることを避けたかっただけなのだから、
これ以上、早瀬を拘束する理由もないといったところだろう。
さすが、早瀬という男は察しがよくて立ち回りもうまい。
若宮が言いように振り回されるのも納得出来る、と妙なところで感心してしまった冴木であった。

ちょうど同じ頃の、本社にて。

「やぁ、柊一くん、携帯を新しくしたのかい?」
「え?・・はい、先週の日曜日に。僕は、別に前のでもよかったのですが、冴木が」
柊一は、妙な既視感にとらわれる。
そういえば、早瀬さんにも言われたっけ。

「おれも、そろそろ買い換えようと思っているんだ、ちょっと見せてもらってもいいかな?」
「ええ、どうぞ開いて頂いてかまいませんよ」
「・・・それでは・・・ん?・・・これは・・・あはははは。」
「?・・・どうかしましたか?」
「あ、いや、すまない。
しかし、冴木のヤツも、まったく心配性だな。
柊一くんに、GPS機能付きの子供用の携帯を持たせるなんて!
いや~、愛されてると言った方が、いいのかな、この場合は!」

楽しそうに笑いながら若宮が去っていったあと、しばし固まる柊一だった。


もちろん帰宅後に、やんわり詰め寄られたのち、『ただでは済まない』状況に陥った冴木は、
最も最良と自負している方法、つまり
『どれほど愛しているかを、イヤというほど身体に思い知らせる』ことで、
なんとか柊一を納得させた。

一方、早瀬はというと、率直で不器用な恋人の言動にあきれ果てた。
「あなたという人は、どうしようもありませんね。当分、私の視界には入らないでください」
さらりと言い渡して、パソコンのモニターに集中するのだった。

☆ The End ☆
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彩香とれんの萌え満載のBL二次創作小説ブログです♪
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桂木が好き過ぎて困る。
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